栗看

~くりかん~

褥瘡予防のアセスメントと観察・ケアの方法を解説!

こんにちは、栗鈴です。

今回の記事は、『褥瘡予防のアセスメントと観察・ケアの方法を解説!』です。

よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

はじめに

褥瘡予防のケアは、看護・介護をする上で欠かせない重要なスキルになります。

褥瘡が発生するかしないかは、

褥瘡予防のケアがいかに適切に行えているかどうかによって決まるといっても過言ではありません。

 

担当するスタッフによる観察・ケア・家族指導などの介入次第で結果が決まります。

 

逆に言うと、褥瘡ケアはまさに

看護師の腕の見せ所です!

 

褥瘡予防のアセスメント、ケアをマスターして、【治るべくして治る】環境が整えられるように、勉強をしていきましょう!

 

褥瘡のアセスメント・予防

 
<褥瘡の予防>

褥瘡のリスクアセスメント

  • アセスメントデータは患者の皮膚統合性や褥瘡発生の危険性、そして治癒過程の予測に関する重要な情報となる。
  • アセスメントは定期的な間隔、術後など、状態が変化したときに行う。

褥瘡の予防と発生後のケアについて、

  1. 「皮膚の観察」
  2. 「褥瘡発生の予測」
  3. 「圧迫、ずれの排除」
  4. 「スキンケア」
  5. 「栄養管理」
  6. 「リハビリテーション」
  7. 「患者教育」

の7つの視点を常にもつ。

 

 

褥瘡リスク因子の観察項目

褥瘡危険因子の評価のため、以下を観察する。

  1.  基本的動作能力の程度
  2. 知覚異常の有無(脊髄損傷など)
  3. 循環障害(糖尿病による末梢神経障害など)
  4. 病的骨突出の有無
  5. 関節拘縮の有無
  6. 栄養状態低下の有無
  7. 貧血の有無
  8. 脱水症の有無
  9. 多汗・失禁などによる皮膚湿潤の有無・程度
  10. 浮腫の有無、程度
  11. 褥瘡や創傷の有無および既往歴


褥瘡発生リスクの評価スケール

褥瘡発生予測方法として、

  • ブレーデンスケール
  • K式スケール
  • OHスケールなどが用いられる。

国際的には、ブレーデンスケールがよく用いられる。

 

ブレーデンスケール 
f:id:aiko-and-sibajyun:20170806053541j:image

https://goo.gl/images/vobYio

 

  • 日本褥瘡学会のガイドラインでは、ブレーデンスケールを用いることが勧められている(推奨度B)。
  • ただし、高齢者には、褥瘡危険因子による評価、高齢者寝たきり患者においては、OHスケールを使用してもよいとしている (推奨度C1)。

 

OHスケール 
f:id:aiko-and-sibajyun:20170806054536j:image

https://goo.gl/images/ybk6jv

 

OHスケールのリスクランク判定、マットレス選択基準(介護力あり・なし)
f:id:aiko-and-sibajyun:20170806055032j:image

  • 寝たきり入院高齢者ではK式スケール(金沢大学式褥瘡発生予測尺度)を使用してもよいとしている (推奨度C1)。
  • スケールの使用により簡便に評価できる。また、評価者によるばらつきが少なくなり、継続的な評価が可能となる。

 

体圧分散マットレスの使用

  • 患者の状態やリスクに応じて体圧分散マットレスを選択する。
  • 日本褥瘡学会のガイドラインでは、褥瘡予防のために体圧分散マットレスを使用することが強く勧められている(推奨度A)。
  • 高齢者には、2層式エアマットレスの使用(推奨度B)
  • 急性期患者には低圧保持用エアマットレスの使用(推奨度B)
  • 周手術期患者には圧切替型エアマットレスの使用(推奨度C1)が勧められている。
  • 接触圧の体圧値が40mmHg以上のときは、褥瘡ができやすい。ブレーデンスケールの可動性2点以下の時は、体圧分散マットレスの使用を検討する。
  • すでに使用している場合はマットレスの使用状況が適切かを確認し、必要時にはマットレスの変更を検討する。
  • マットレスは底付きしないよう、圧力を調節する。
  • マットレスの下(骨突出部の真下)に手掌を上にして手を差し込み、中指または示指を曲げて確認する。すぐに骨突出部に触れる状態を底付き状態という
  • 底付き状態の場合はマットの内圧を高くする。指を2.5cm曲げると骨突出部に触れる状態が適切な圧である。曲げても骨突出部に触れない場合は、過剰な圧力のため、マットの内圧を低くする。
  • マットレス使用による患者の安楽や日常生活動作への影響についてもアセスメントする。
  • マットレスは体圧分散に有効だが、体がマットレスに沈み込むと、自力での起き上がりや座位保持が困難となり、リハビリテーションを妨げることがあるため、リスクアセスメントと必要性の判断を定期的に行う。

 

体位変換
f:id:aiko-and-sibajyun:20170806060641j:image

https://goo.gl/images/jm0Veh

 

  • 体位は枕やクッションを使用し、褥瘡好発部位の圧迫を避ける。
  • 30度側臥位が褥瘡を予防するのに効果的であるが、患者にとって安楽な体位を工夫する。
  • 同一体位による圧迫を解除する。
  • 90度側臥位は下側の腸骨、大転子が圧迫されるのに比べ、30度側臥位は殿筋に圧が加わるため褥瘡発生のリスクが低いとされている。
  • ただし、日本褥瘡学会のガイドラインでは、30度側臥位、90度側臥位ともに行ってもよい(推奨度C1)が、日本人の体格では検討されていないことと、30度側臥位は患者の安楽な姿勢に反していると報告されていることに留意する必要があるとしている。
  • 体位変換の頻度は、可動性のレベル、全身状態、皮膚の状態のアセスメントおよび使用している体圧分散マットレスによって決定するが、最低でも4時間ごとを目安とする。
  • 以前は2時間毎に体位変換を行うべきとすることもあった。患者・介護者の身体的負担や安楽・入眠が妨げられることから、特に在宅の場では推奨されなくなってきた。
  • 体位変換時に、寝具や寝衣のしわが生じないように整える。
  • 摩擦は褥瘡発生の要因であるため、患者を引きずらないよう注意する。
  • ギャッチアップの実施は、ずれが発生しないよう注意し、背抜き(体を一度浮かせてずれを解除する)を行う。
  • ギャッチアップ、ギャッチダウン後は、マットレスと体の接触面にずれが生じるため、背抜き(体を一度浮かせてずれを解除する)を行う。

 

スキンケア

  • 皮膚の湿潤により皮脂を保護している皮脂膜が取れ、皮膚のバリア機能が損なわれると、浸軟、損傷、感染と皮膚の抵抗力は弱まる。
  • また、皮膚の乾燥は摩擦ずれによって表皮が剥離しやすくなる。
  • 日本褥瘡学会のガイドラインでは、高齢者の骨突出部位の褥瘡発生予防に、ポリウレタンフィルムドレッシング材、すべり機能つきドレッシング材を貼付することが勧められている(推奨度B)。
  • 汗、便、尿を除去し、皮膚を清潔に保つ。
  • 皮膚乾燥時には親水性クリーム、皮膚の摩擦部位には半透過性フィルムなどを使用する。
  • 清拭をする際は、皮膚を強くこすって傷つけないよう注意する。
  • 入浴や足浴などを行い、循環を促進させる。

 

栄養評価

定期的なリスクアセスメントを行い、血清アルブミン値3.0g/dl以下で、かつ血清ヘモグロビン値11.0g/dl以下の場合は、褥瘡のリスクが高いとし、必要に応じて栄養状態改善の看護計画を立案する。

  • 低栄養、特に低蛋白は褥瘡発生のリスクを高めるため定期的にアセスメントし、早期に介入をはかる。
  • 脱水によって、数値の上ではアルブミン値が高値となる場合もあるので注意する。
  • 体重変化、消化器症状(悪心、嘔吐、下痢など)、電解質バランスも考慮してアセスメントする。
  • 必要に応じて管理栄養士と連携し、栄養方針を検討する。

 

<褥瘡発生時の評価と観察>

1.褥瘡が発生したら、褥瘡の深さを評価する。

発生した褥瘡の深さは、NPUAP (National Pressure Ulcer Advisory Panel:米国褥瘡諮問委員会)分類で分類される。

knowledge.nurse-senka.jp

  • 客観的指標で評価し、医療従事者間の共通認識をはかる。
  • 2007年よりNPUAP分類に「DTI(Deep Tissue Injury)疑い」と「判定不能(unstageable)」が加わった。「DTI疑い」とは、初期の段階では一見軽度な褥瘡に見えるが実際には皮下組織がすでに壊死に陥っているものを指す。
  • DTIへの対策として大切なのは、まずDTIを疑うことである。

www.almediaweb.jp

2.褥瘡局所状態の観察を行う。

  • DESIGN®およびDESIGN-R®ツールを使用し、発生している褥瘡の重症度を分類し、治癒過程を数値で表して経過をみる。
  • 客観的指標で評価し、医療従事者間の共通認識をはかる。
  • DESIGN®およびDESIGN-R®は、基本的に医師と評価を行う。
  • 毎日、褥瘡の状態を観察し、大きさやケア内容をカルテに記載する。必要に応じて褥瘡部の写真を撮る。写真を撮ると、状態や変化が把握しやすい。

www.almediaweb.jp

 

以上になります!

いかがでしたでしょうか。

 

おわりに

今回の褥瘡予防のアセスメント・ケアを、自分だけが実践したとしても、それだけでは24時間、常に行き届いた褥瘡予防が出来るわけではありません。

褥瘡予防は、途切れることなくケアが持続できていなければ、いずれ褥瘡は発生し、悪化していきます。

 

褥瘡予防に携わる医療チーム全員が、統一したアセスメント・ケアができるように、実践していく看護を主体的に計画していきましょう!褥瘡ケアは1人でやるのではなく、チーム全員でやるものです!みんなで頑張りましょう!

 

おわり!

Twitterもやってます。

ブログや看護について適当に呟いています!

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一般状態のフィジカルアセスメント

みなさんこんにちは。栗鈴と申します!

今回は『一般状態のフィジカルアセスメント』になります。

よろしくお願いします。

はじめに

看護学生さんの時点では、フィジカルアセスメントのスキルに自信がないと言う方も少なくないのではないかと思います。

 

もしそうだとしても、それはとても自然なことなので、心配無用です。

 

フィジカルアセスメントに自信が持てるようになるには、ある程度の勉強と経験がどうしても必要です。

 

フィジカルアセスメントを通して、患者さまが正常なのか、異常なのか、なんとなく分かるかも…という自覚が出てくれば、そこから少しずつ自信がついてくると思います。


フィジカルアセスメントは、勉強と経験を積み重ねていけば、必ず十分なスキルが身に付きます。まずはコツコツと勉強をしていきましょう!


経験豊富な看護師であっても、働く場所の診療科目の専門外のフィジカルアセスメントについては、良く分からない…という方も沢山います。

 

とはいえ、看護師たるものプロになりますので、診療科目とは異なるフィジカルアセスメントであっても、やはりしっかりとマスターすべきだと思います。

 

救急外来や集中治療室であれば、中途半端に仕事をする看護師さんは、おそらくいないでしょう。


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まずはきちんと、一般的なフィジカルアセスメントについて、一緒に勉強していきましょう!

一般状態のフィジカルアセスメントとは

はじめて患者さまが入院した時等、情報がまだ無かったり、あるいは少ないときに、全体像を簡単に把握するためのフィジカルアセスメントです。
 

フィジカルアセスメントというのは、「それでは診せて下さいね」というように、医師の診察と同じように実施していくパターンもありますが、一般状態のフィジカルアセスメントは、何気なくあいさつしたり会話したり、近づいたりしている間に観察が出来るような項目をおさえていきます。


あいさつの時点から、すでにフィジカルアセスメントは始まっている」ということなんですね。

 

救急外来やクリニックの看護師さんは、とにかく時間と判断の勝負なので、じっくり看ている暇が無いことも多いです。

 

スピーディーな観察が必要になる以上、一般状態のフィジカルアセスメントのスキルを身に付けることは、情報収集の効率化と早期のケアの立案に繋がります。

 

一般状態のフィジカルアセスメントの重要性が、お分かり頂けると思います。それでは、次に手順を勉強していきましょう!


一般状態のフィジカルアセスメントの手順

<一般状態のフィジカルアセスメントの準備

プライバシーが確保された環境で行う。

<一般状態のフィジカルアセスメントの実施

1.年齢

年齢相応に見えるかどうかを確認する。

[正常所見]
・年相応に見える。

2.性的発達状態

[正常所見]
・性や年齢相応の発達状態にある。

・声変わり、乳房の発達、ひげなどの発毛が年齢相応である。

[異常所見]
・性発達が遅い、早い

3.意識状態

声かけに反応しない場合、痛みに反応するかを確認する。

[正常所見]
・覚醒しており、正しく判断でき、質問に注意を向け、適切に答えられる。

[異常所見]
・意識障害がある。
・反応がない、環境を認知できない。

4.顔貌

顔色、表情、化粧などを観察する。

[正常所見]
・左右対称で不随意の異常な動きがなく、激しい苦悶表情でない。

[異常所見]
・無表情
・激しい苦悶表情

5.苦痛のサイン

[正常所見]
・呼吸苦(努力呼吸、喘鳴、咳嗽)、疼痛(痛がる程度、冷や汗、痛い部分を抱え込んでいる)、不安(不安な表情、落ち着きのない動き、手掌の発汗)がない。

[異常所見]
・呼吸苦(努力呼吸、喘鳴、咳嗽)、疼痛(痛がる程度、冷や汗、痛い部分を抱え込んでいる)、不安(不安な表情、落ち着きのない動き、手掌の発汗)など苦痛のサインがある。

6.皮膚の色

露出されている部位の皮膚を観察する。

[正常所見]

・色の質は一定で、色素沈着は、人種相応の皮膚色に基づいたものである。
・皮膚に外傷はなく、無傷である。

[異常所見]
・顔面蒼白、チアノーゼ
・黄疸
・発疹、皮疹
・外傷

7.体臭、口臭

[正常所見]
・アルコール臭、アンモニア臭がしない。
・長期間清潔を保っていない臭いがしない。

[異常所見]
・アルコール臭
・アンモニア臭
->肝機能障害や尿毒症の疑い
・アセトン臭
->糖尿病の疑い
・そのほかの異臭

8.身長

[正常所見]
・身長が年齢の正常範囲内である。

[異常所見]
・身長が著しく低い、または高い。
->巨人症、小人症の疑い

9.栄養状態

[正常所見]
・体重が、身長、体格に応じて適切な値である。
・体脂肪の分布が均等であるかどうかを観察する。

[異常所見]
・肥満(肥満傾向)
・やせ(るい痩)

10.左右対称性

[正常所見]
・身体の各器官が左右対称である。

11.姿勢

[正常所見]
・年齢相応の姿勢、楽な体位を保つことができる。

[異常所見]
・著しく姿勢が悪い。

12.体位

[正常所見]
・腕はリラックスした位置にあり、椅子やベッドや診察台の上に楽に座っていられる。

[異常所見]
・疲労している。

13.体格・輪郭

[正常所見]
・上肢の長さや上半身と下半身のバランスがとれている。
・明らかな身体上の変形や欠損がない。

[異常所見]
・身体の変形や欠損がある。

14.歩行の様子

[正常所見]
・通常、足幅は肩幅とほぼ同じくらいであり、足の位置が正確、歩行はスムーズで左右対称である。
・腕の振りが左右対称でバランスがとれている。

[異常所見]
・不随意運動や麻痺がある。
・歩行困難
・立位や座位が保てない。
・左右に傾く。
・前傾姿勢
・蹲踞姿勢(うずくまる姿勢)
・小きざみ歩行 
・前方突進など

15.関節可動域

[正常所見]
・関節可動域が正常である。
・動きが正確でスムーズである。

[異常所見]
・関節の拘縮
・可動域制限

16.日常生活動作

[正常所見]
・食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴など生活を営む上で不可欠な基本的行動に介助を要さない。

[異常所見]
・日常生活動作に介助を要する。

 

ここからは血圧計や体重・身長計がある場合の観察を含みます。

 

バイタルサイン

バイタルサインの測定をする。

身体計測

身長・体重の測定をする。

[異常所見]
BMI(Body mass index)が18.5未満あるいは25以上(表3)

意識レベルの観察
ジャパン・コーマ・スケール


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JCS(JAPAN COMA SCALE)3-3-9度方式

このほかに、
R(不穏)
I(糞便失禁)
A(自発性喪失)などの付加情報をつけて
「JCS20-R」などと表す。

グラスゴー・コーマ・スケール(GCS)
GCS(Glasgow Coma Scale)


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3つの項目の合計を求め、
「E何点 V何点 M何点 合計何点」
と表し、点数が小さいほど重症である。


以上になります!
いかがでしたでしょうか。

 

おわりに

観察事項は結構多いですが、
一つ一つの観察自体の難易度は決して高くありませんので、ぜひ臨床で意識してフィジカルアセスメントを実践してみてほしいと思います!

 

実践を継続することが習慣となり、知識やスキルが身にしみていくと、そこで自信に繋がっていくと思います!


おわり。
ご意見をお待ちしています。

他のフィジカルアセスメントの記事もありすので、良かったら読んでみてください!

【看護】健康知覚/健康管理パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】

こんにちは、栗鈴です。

今回の記事は、『【看護】健康知覚/健康管理パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】』です。

よろしくお願いします。

 

 

 

はじめに

何はともあれ、人生というのは、幸せであれば何よりですよね!

ちなみに私は幸せです(´ー`)ドヤァ

なぜなら、ブログを読んでくださるみなさんがいてくださるから…(ゝω・)

それだけで私の存在意義があるってもんだし、ちょっとだけでも誰かのために貢献できているのかなぁ…と思うとハッピーです。

そして大事なのは、大病をせずに健康に過ごせているということが一番の幸せです。

皆さんも、健康を最優先にして、日々をお過ごしくださいね。

 

そんなわけで、

看護師の臨地実習にてよく使われているマージョリー・ゴードンの看護理論から、

  1. 情報収集の目的
  2. 情報収集のポイント
  3. ポイントごとに注目する視点
  4. 情報収集の質問の例

以上の4点について、まとめています!

 

看護過程に取り組んでいる看護学生さんにとって、この記事が少しでも手助けとなることを願っております!(´ー`)

 

ところで、

みなさんは自分の健康に気を遣っていますか?

 

毎日コンビニ飯とか

毎日菓子パンとか

食べてませんかぁ?

 

飯はちゃんと、ごはんと野菜をメインに食べないと、ダメですよ。

 

「おまえはどうなんだ」という声が聞こえてきそうですが、

私はセミベジタリアン(極力肉・卵は喰わない)ですから、

健康でないはずがありません…笑。多分。

ファミチキは夜勤明けしか喰わないと決めています。

 

とにかく何事もほどほどに、

偏った食事や生活リズムにはならないように気をつけていきましょうね。

 
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でもいっぱい食べる人って、幸せそうでいいよね…(●´ω`●)

 

まぁ、何が言いたいのかというと…

人を健康にしたいなら、まずは自分の健康であれ

ってことです!

 

長くなりました!

では、やっていきましょう!

 

 

1.健康知覚/健康管理パターン

 

情報収集の目的

  • 患者が自分の健康状態をどのように考え管理しているか、また健康になるためにどのようにしているか、医療指示にどのように従っているかを知る。
  • 患者が日常生活行動と健康との関連をどのように認識しているかを知る。

 

情報収集のポイント 

健康知覚/健康管理パターンの情報収集のポイントは、全部で6つです (゜∀゜)

しっかりおさえときましょう~

 

  1. 過去の健康障害の経験
  2. 治療に対する理解
  3. アレルギー
  4. 健康のために気をつけていること
  5. 疾患に対する理解
  6. 飲酒・喫煙習慣 

特に考えてほしいのが、2.治療に対する理解です。

 

これが出来ていないと、

薬の用法用量を間違えたり、健康を害する習慣が直らなかったりするわけです。

 

薬物療法が毒物療法にならないように注意が必要です。

 

1-1.注目する視点(過去の健康障害の経験)

  • 過去の健康障害の経験が現在の日常生活にどのように影響しているか。(セルフケア能力や身体の安定性などと併せてアセスメントする必要性があり、活動/運動の領域とも関係する)
  • 過去の健康経験が健康に対する考え方に影響を与えているか。
  • 小児の場合、成長発達にどのような影響を与えているか。

1-2.質問の仕方の例(過去の健康障害の経験)

  •  今まで病気やけがをしたことで,健康に対する考え方が変りましたか?
  • 今までの病気やけがをしたことで,今の生活にどのように影響していますか?
  • それは今の生活にどのように影響していますか?

 

2-1.注目する視点(治療に対する理解)

  • 常用薬は病院で処方されたものか、自分で購入して内服しているものか
  • 処方された治療に従うことができているか(処方薬・運動・食事・生活習慣など)
  • アドバイスに従うことを困難にしている因子は何か 例)我慢できない治療の副作用 不快な味・痛み・時間がかかる・不便・飲みにくい・経費がかかるなど
  • 日常習慣に取り入れることができない理由
  • 行動として取ることができない理由


2-2.質問の仕方の例(治療に対する理解)

  • どのような薬を飲んでいますか?
  • 量・回数・最後に薬を飲んだのは何時ですか?
  • 医師に処方された薬以外では、どのような薬を飲んでいますか?
  • これまで処方された薬をきちんと飲んでいましたか?
  • 薬を飲むことができなかったのはどうしてですか?
  • 薬を自分で調節することがありますか?
  • それはどのようなときですか?
  • 運動療法を行っていますか?

3-1.注目する視点(アレルギー)

  • 健康管理行動上にアレルギーの存在がどのように影響しているか
  • 成長発達にどのように影響しているか
  • 生活環境がアレルギーにどのように影響しているか

3-2.質問の仕方の例(アレルギー)

  • アレルギーはありますか?
  • 何のアレルギーですか。又その症状について教えてください
  • アレルギーに対して何か行っていますか?
  • アレルギーは日常生活にどのように影響していますか?

 

 

4-1.注目する視点(健康のために気をつけていること)

  • 日頃からどのように健康を考えているか
  • よりよい健康状態を保つために行っている健康管理活動は何か 例)運動・健康食品・漢方薬など
  • 健康を守るために何らかの習慣を身につけたいと考えているか
  • 小児の場合、予防接種を受けているか(三種混合・BCG・麻疹・日本脳炎など)


4-2.質問の仕方の例(健康のために気をつけていること)

  • 健康診断を受けていますか?
  • どの位の頻度で健康診断を受けていますか?
  • 健康を保つために何かしていますか?
  • 健康のためにどのような活動(運動)が役立っていると思いますか?
  • 病気に影響すると思いますか?
  • 自分の体の状態を定期的に調べる事はありますか? 例)血圧・乳房・精巣(睾丸)など

 

5-1.注目する視点(疾患に対する理解)

  •  現在の健康状態について、どのように理解・知覚しているか
  • 病気に対する目下の心配事は何か
  • アドバイスされた治療計画をどのように見ているか
  • 疾患に影響する環境因子を知っているか
  • 小児の場合、親がどのように理解しているか
  • 客観的データ (例:同疾患で入院した回数、糖尿病患者の血糖値、高血圧患者の血圧値、過体重患者の体重減少、定期的な医療検診など)


5-2.質問の仕方の例(疾患に対する理解)

  • 自分の病気について医師からどのように説明を受けていましたか?
  • 今の病気や治療をどのように理解していますか?
  • 今の身体の状態で不都合な点や問題だと思うことを教えてください
  • 病気の今後の経過についてどのように聞いていますか?
  • どのような治療を希望しますか?
  • 家庭で療養していて何か問題がありましたか?
  • 病気の原因は何だと思いますか?


6-1.注目する視点(飲酒・喫煙習慣)

留意点

飲酒の場合、嗜好としてとらえた場合、習慣そのもの(過量でない限り)が健康障害を与える因子になるわけではないため注意する。

  • 現在・過去の飲酒、喫煙歴


6-2.質問の仕方の例(飲酒・喫煙習慣)

  • たばこは吸いますか?
  • いつ頃からですか?
  • 一日に何本ぐらい吸いますか?
  • 以前たばこを吸っていましたか?
  • 禁煙したのはなぜですか?

 

  • アルコールを飲みますか?
  • いつ頃からですか?
  • どれくらいアルコールを飲みますか?
  • 以前アルコールを飲んでいましたか?
  • やめた理由はなぜですか?

 

以上になります!

いかがしたでしょうか。

 

おわりに

健康知覚/健康管理パターンは、11パターンの最初にきているだけあって、治療を行う以前に問題点がないかの情報を収集することが出来ます。

 

ここでの情報収集をしっかりしておかないと、患者さまにあわせた治療やケアの実践は到底かないません。

 

もともとの治療意識や生活改善の意志が高ければ良いのですが、

治療への意識が薄かったり、間違った健康管理をしている状態をそのままにしてしまうと、退院してもすぐに状態悪化したり再入院になってしまう可能性が高まります。

 

患者様にあったケア・治療を行うためにも

健康知覚/健康管理パターンにおける情報収集を確実に行いましょう!

 

まさにこれが

看護過程の第一歩になるのですから(ゝω・)

 

おわり!

ご意見をお待ちしています。

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【看護】栄養/代謝パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】

こんにちは、栗鈴です。

今回の記事は、『【看護】栄養/代謝パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】』です。

 よろしくお願いします。 

 

 

 

 

はじめに

看護師の臨地実習にてよく使われている

マージョリー・ゴードンの看護理論から、

 

  1. 情報収集の目的
  2. 情報収集のポイント
  3. ポイントごとに注目する視点
  4. 情報収集の質問の例

 

以上の4点について、まとめています!

 

このパターンは測定できる情報が多いため、情報収集は難しくないものの、その情報量たるやほかのパターンと比べても非常に多いです。

 

一気に情報収集・整理をするのは結構な時間と体力を使いますので、優先順位の高いものから少しずつ行っていきましょう!

看護過程に取り組んでいる看護学生さんにとって、この記事が少しでも手助けとなることを願っております。

 

では、やっていきましょう!

 
f:id:aiko-and-sibajyun:20161227190555j:image

食物と水分が有効に吸収・代謝されなかった場合の例。

正直、病院ではこのような人相は珍しくないです

 

 

2.栄養/代謝パターン

 

情報収集の目的

  • 食習慣と代謝に必要な関連情報を集めることによって、身体がどのくらい効率よく食物を摂取・消化・吸収・代謝できるかを知る。
  • 栄養の代謝により、どの程度の組織保全と体液・電解質のバランスを維持し感染と戦うことができるかを知る。

留意点

  • 通常摂取する食物と水分、通常の食事パターンの変調がどのように日常生活に影響したかに注目する。
  • また、栄養状態が二次的に医学的問題に進展したかなどに注目する。
  • ストレスの解消方法として、食事の過剰摂取、偏食、間食、食事を取らないなどの行動があるのかないのかをアセスメントし、ある場合はコーピング・ストレスとする。

 

情報収集のポイント

  1. 食事状況
  2. 食欲
  3. 偏食
  4. 食事療法
  5. 口腔内の異常・衛生状態
  6. 一日の水分量
  7. 間食習慣
  8. 皮膚の状態
  9. 身長・体重
  10. 体温
  11. ストーマ、カテーテル

 

1-1.注目する視点(食事状況)

  • 通常の食事パターンはどうか
  • 食事の変調がどのように日常生活に影響したか

 

1-2.質問の仕方の例(食事状況)

  • 普段の日にどのような物を食べているか教えてください
  • 平均的な一日の朝食・昼食・夕食の内容と食事量について教えてください
  • 一日の食事を抜いたり追加することがありますか?
  • 普段何時頃に食事を取りますか?
  • 食事を決まった時間に取ることが難しいですか? それはどうしてですか?
  • 味付けはどのようなものが好きですか?(薄味・濃い味・辛い味など)


2-1.注目する視点(食欲)

  • 普段とくらべ変化があるかどうか
  • 食欲低下の原因は何か 例)手術の既往、服用している薬、アレルギー、嘔気・嘔吐、疲労感、口腔内の異常、胃腸障害、消化不良、嚥下障害、身体の痛み、精神的変化など


2-2.質問の仕方の例(食欲)

  • 普段と比べて食欲はどうですか?
  • 食欲が低下している原因は何だと思いますか?
  • 食事はおいしく食べられていますか?


3-1.注目する視点(偏食)

  • 食物、飲物の好き嫌いが栄養のバランスに影響しているか
  • 成長発達に及ぼす影響があるか
  • 栄養の知識があるかどうか
  • 宗教上の食事の制限があるかどうか


3-2.質問の仕方の例(偏食)

  • 偏食はありますか?
  • 食べ物・飲み物の好き嫌いはありますか?
  • それは何ですか?また、それはどうしてですか?
  • 栄養が偏っていると思いますか?
  • それはどんなところですか?また、それはどうしてそう思いますか?
  • 脂肪や砂糖または塩分のいずれかを取りすぎていると思いますか?
  • 宗教に関連して食べない物がありますか?

4-1.注目する視点(食事療法)

  • 食事療法に対する理解はどうか
  • 食事療法をどのように食生活に取り入れているか
  • 調理する人は誰か


4-2.質問の仕方の例(食事療法)

  • 何か食事療法を行っていますか?
  • 食事療法の内容を教えてください。
  • 食事の支度をするのは誰ですか?
  • 食事療法でどんなことに気をつけていますか?
  • 食事療法を受けた事がありますか?

5-1.注目する視点(口腔内の異常・衛生状態)

 留意点

  • 口腔内の異常が食事の内容量・食欲に影響を及ぼすことがある。
  • 口腔内とは、舌・味覚・口腔粘膜・歯肉・歯・咽頭・喉頭蓋・下顎までをいう。
  • 噛んだり、飲み込んだり、食事を楽しんだりするのを妨げるような異常があるかどうか
  • 個人衛生の状況はどうか
  • 義歯を使用しているか
  • 義歯の不適合はないか


5-2.質問の仕方の例(口腔内の異常・衛生状態)

  •  喉や舌、歯肉などの口の中に痛みや不快感はありますか? それはどこですか?
  • 食物を噛んだり飲み込んだりするとき、むせたり、喉につかえることがありますか?
  • 食物の味がおかしいと感じる事がありますか?
  • 入れ歯を使用していますか?
  • 入れ歯に関して不都合なことがありますか?


6-1.注目する視点(一日の水分量)

  •  皮膚の状態と関連つけて水分摂取状況はどうか


6-2.質問の仕方の例(一日の水分量)

  • 水分は一日どんな物を、どれくらい飲んでいますか?

 


7-1.注目する視点(間食習慣)

  • 現在の摂取パターン(食事の時間・回数・間食の有無)はどうか
  • 栄養に関する知識があるかどうか


7-2.質問の仕方の例(間食習慣)

  • 間食をしますか?それはいつ頃取りますか?
  • 間食はどのような物をどれくらい摂りますか?
  • 普段の一日の食事内容と食事量について教えてください。
  • 普段何食食べていますか?
  • 主食はご飯ですか?パンですか?
  • 量はどれくらいですか?


8-1.注目する視点(皮膚の状態)

  • 視診と触診によって色・張り・浮腫・発汗・損傷皮膚の傷はどうか
  • 過去の損傷の有無はどうか
  • 皮膚硬結・傷跡があるかどうか
  • 髪と爪の手入れはどうか
  • 褥創があるかどうか
  • 褥創のステージはDESIGN を使用する
  • リスクの判定にブレーデンスケールを使用する


8-2.質問の仕方の例(皮膚の状態)

  • 皮膚の状態で気になることはありますか?
  • 皮膚に傷はありますか?それはいつからありますか?
  • 皮膚が傷ついたとき、すぐに良くなりますか?または治りにくいことがありますか?
  • 皮膚が油っぽかったり、乾燥したりしますか?
  • 髪の毛と爪の状態について教えてください
  • 髪の毛が油っぽかったり、乾燥したりしますか?
  • 爪の変化がありましたか(色・ひび・形・線など)
  • 髪の毛や頭皮の保護剤を使用していますか?
  • 床ずれはありますか?


9-1.注目する視点(身長・体重)

留意点

  • 心理的な食欲不振症の患者の場合、社会面を含めたトータル的な原因を探る必要がある。

 

  •  栄養状態はどうか

BMI(body mass index)算出
BMI(体容量指数)=体重Kg/(身長m)₂   20≦正常≦24

  • 標準体重はどれくらいか
    標準体重(IBW)=[身長(m)]×22 IBW(ideal body weight)
  • 標準体重範囲外の原因は何か 例)食事量の不適切、運動不足など
  • 日常生活の活動(生活活動強度の区分)
  • 運動の有無・食事量や内容・精神的変化
  • 最近の体重の増減はないか
  • 体重管理に対して誤った知識はないか


9-2.質問の仕方の例(身長・体重)

  • 最近体重の変化がありましたか?それはどうしてですか?
  • 思い当たることがありますか?
  • あなたの理想体重はどのくらいだと思いますか?
  • 自分の体重に満足していますか?
  • 体重を増やしたり減らしたりするために何かしていますか? それはどのようなことですか?
  • 過去3ヶ月間に体重の変化がありましたか?
  • 1年では、5年ではどうですか?
  • 体重を測る習慣はありますか?

10-1.注目する視点(体温)

  • 熱型はどうか
  • 体温の異常をきたす原因は何か(疾患・治療・内的外的状況・発達因子)
  • 高体温の原因は何か
  • 低体温の原因は何か
  • 高体温・低体温に寄与する誘因は何か


10-2.質問の仕方の例(体温)

  • 普段の体温はどれくらいですか?
  • 体温が高い(低い)のはいつからですか?


11-1.注目する視点(ストーマ、カテーテル)

*ストーマの定義

  • 消化管や尿路を人為的に体外に誘導して増設した開放孔である。
  • 前者を消化管ストーマ、後者を尿路ストーマという。

 

 留意点

  • ストーマの定義は上記なわけですが、私流として、ストーマを排泄という概念でとらえるのではなく、皮膚の概念としてとらえています。
  • ストーマの定義には胃瘻が含まれていますが、カテーテルが挿入されていることによる組織統合性のアセスメントデータとして解釈しています。
  • 自己管理状況と対処の仕方はどうか 
  • 設置範囲の皮膚に異常があるかどうか。その原因は何か
  • 感染の危険性があるかどうか


11-2.質問の仕方の例(ストーマ、カテーテル)

  • ストーマ・カテーテルの交換は誰が行いますか?
  • 交換はうまくできますか?
  • 周りの皮膚が赤くなったり、ただれたりしたことがありますか? その原因は何だと思いますか?
  • 皮膚が赤くなったり、ただれたりした場合どのようにしますか?

 

以上になります

いかがしたでしょうか。

 

おわりに

栄養/代謝パターンで看護問題が生じる患者さまは、身体面にたくさんの異常を抱えている場合が多いと思います。

 

身体そのものは、物理的に体から取り入れている食べ物や水分などから出来ているわけですから、そこに異常があることは、そのまま生命の危険に直結する可能性だってあります。

 

看護次第で、人を生かすこともあれば、死に至らしめることもあることもまた事実です。

 

看護の本領を発揮し、

患者さまに活力のある体が保たれるように全力でサポートしていきましょう!

 

おわり

ご意見をお待ちしています。

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【看護】排泄パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】

こんにちは、栗鈴です。

今回の記事は、『【看護】排泄パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】』です。よろしくお願いします。

 

 

はじめに

マージョリー・ゴードンの看護理論から、全11パターンのアセスメントの枠組みにおける情報収集の目的と注目する視点、情報収集の質問の例についてまとめています。今回は、排泄パターンについてまとめております!何卒ご参考にしていただければと思います!

排泄における問題は、ほかと比べてかなり情報収集しやすいです。情報量がほかと比べても少ないのと、数値化できる情報が多いことが理由です。情報収集に苦手意識があったり、疲れてクタクタな時などなど、そうしたときは、先に排泄パターンから情報収集を行い、整理していくことをおすすめします!

では、早速やっていきましょう!

 
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『小便小僧』。24時間放尿しているこいつらは、いわゆる尿崩症です!

排泄パターン領域における情報収集の目的

  • 排泄に関して腸と膀胱が適切に機能しているかどうかを評価し、便・尿の排泄習慣と便・尿の排泄の問題点及び補助手段について知る。

情報収集のポイント

  1. 排便習慣
  2. 排尿習慣

 1-1.注目する視点(排便習慣)

  • 通常の排便習慣はどうか
  • 過去の排便習慣はどうか
  • 便の色と性状はどうか
  • 日常生活での排便パターンの影響はどうか
  • 排便に伴う不快感があるかどうか
  • 患者が便通に対してどう思っているか
  • 排便コントロールのための対処は何か
  • 腹部の観察(膨満・痛み・不快感・腸音の有無等)

1-2.質問の仕方の例(排便習慣)

  • 排便は毎日ありますか?または、何日おきですか?
  • あなたの排便習慣について教えてください。
  • 排便習慣について何か変化がありましたか?
  • 排便の色・性状はいかがですか?
  • 規則的に排便するのは困難ですか?
  • 排便を規則的にするために何かしていますか?(食事・薬・習慣など)
  • 排便に際しておなかが不快なことがありますか?

2-1.注目する視点(排尿習慣)

  • 通常の排尿習慣はどうか
  • 過去の排尿習慣はどうか
  • 夜間排尿の回数と睡眠に及ぼす影響はどうか
  • 排尿に伴う不快感があるかどうか(痛みなど)
  • 排尿時の問題があるかどうか(尿意の有無・失禁の有無・感染など)
  • 排尿時の問題の原因は何か(疾患、治療、機能的能力、運動能力、環境、ストレス、水分摂取量など)
  • 日常生活での排尿パターンの影響はどうか
  • 患者が排尿に関してどう思っているか
  • 排泄訓練歴はどうか
  • 親の子供の排泄に対する考えはどうか
  • 夜尿に対する家族の反応はどうか

2-2.質問の仕方の例(排尿習慣)

  • 一日何回くらい排尿しますか?そのうち夜間の排尿は何回ですか?
  • 排尿習慣について教えてください
  • 尿の色と量はどのようですか?
  • 最近一日の排尿回数に変化がありましたか?
  • 排尿時に何か問題がありますか?(排尿中の痛み、尿がしたたり落ちる・尿が出にくい等の排出障害の有無)
  • 今までに尿の中に血液が混じっていることはありましたか?
  • 排尿の事で日常生活に困る事がありますか?
  • 尿が出る感覚はわかりますか?
  • 尿が漏れる時がありますか それはどんな時ですか?
  • トイレトレーニングをしていますか?

以上になります

いかがしたでしょうか。

おわりに

排泄パターンの看護問題は、情報収集も行いやすく、看護計画も立てやすいことが特徴です!患者さまの意識状態や家族との関係性によっては、少ない情報から効果的なケアを行うことが求められることもあります。

そんなときも、排泄パターンから情報収集を行うことで、早い段階から患者さまのニーズをとらえて看護を行う手助けになるかもしれません。

情報収集の段階でダラダラすることのないよう、情報収集の優先順位を臨機応変に考え、スピーディーな看護過程を展開していきましょう!

おわり!ご意見をお待ちしています!

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【看護】活動/運動パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】

こんにちは、栗鈴です。

今回の記事は、『【看護】活動/運動パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】』です。

よろしくお願いします。

 

 

 

 

はじめに

看護実習でよく使われる

マージョリー・ゴードンの看護理論から、

全11パターンの情報収集の目的注目する視点情報収集の質問の例についてまとめています!

 

看護過程に取り組んでいる看護学生さんならお気づきと思いますが、

活動/運動パターンという枠組みには、

患者さまにケアを提供する上で多くの大事な情報がつまっています。

 

特に、

ADLの低下や、QOLの低下が生じている患者さまには

ほぼ100%このパターンでの看護問題が浮かび上がってくるくるでしょう。

 

看護問題に対して、よりよい看護をしていくために、何の情報を収集すればいいのか?

この記事が、

それを学ぶ手助けとなることを願っております。

 

では、やっていきましょう!

 

4.活動/運動パターン

情報収集の目的

  • 定期的に行っている運動・余暇を含む患者の日常生活行動を評価するために行う。(日常生活行動には、清潔管理・食事・排泄行動・家事の全般と仕事を含む。)

 

日常生活行動に支障をきたす因子や、

日常生活を構成する要素がどのくらい重要であると感じているのか

ということを知るために、情報収集を行っていきます。

 

情報収集のポイント

活動/運動パターンには、

情報収集を行う上でのポイントが4つあります。

 

  1. 心血管系
  2. 呼吸器系
  3. 筋骨格神経系
  4. 日常生活行動

 

これから、

これらの4つのポイントにおける情報収集について、一つずつ紹介します。

 

ポイントをしっかりふまえた上で情報収集を行いましょう。


1-1.注目する視点(心血管系)
  • 心血管系の病気を起こす危険因子はどうか(高血圧症・高コレステロール・糖尿病・喫煙・ストレスなど)
  • 心血管機能障害の徴候と症状はどうか(痛み・めまい・動悸など)
  • 随伴症状の有無(嘔気・嘔吐・発汗など)
  • 日常生活における心血管機能障害の影響はどうか
  • 心臓あるいは循環器系の障害に対してどのように適応しているか
1-2.質問の仕方の例(心血管系)
  •  今までに胸の痛みや不快感がありましたか?もしあれば、詳しく教えてください。
  • 家族に心臓や血管の病気を持った人がいますか? 例)心臓発作、脳卒中、高血圧症など
  • 休んでいるとき、あるいは身体を使っているときに次のような経験をしたことがありますか? 例)めまい、動悸(どきどきする)、息切れ、足の痛み、痙攣など
  • それは、どのようにすれば治りますか?
  • (心臓または循環系の病気)が、あなたの日常生活行動の妨げになっていますか?
  • もしそうであれば、どのように気をつけていますか?
2-1.注目する視点(呼吸器系)
  • 肺の病気に対する危険因子はどうか。(喫煙・汚染物質にさらされる職業など)
  • 呼吸器の機能障害における徴候と症状はどうか(咳・喀痰分泌・呼吸困難など)
  • 日常生活における呼吸器の影響はどうか
  • 患者が呼吸器機能障害に適応しようとして行う方法は何か

2-2.質問の仕方の例(呼吸器系)
  • 咳をしますか?
  • それはいつどんな時にでますか?
  • 痰が出ますか?その色と量について教えてください。
  • 呼吸が苦しくなるときがありますか?
  • それはいつ、どのようにしたときですか?
  • 呼吸する時に何か変化に気づいたことがありますか?
  • 呼吸に伴う障害のために、あなたの普段の行動を変える必要がありましたか?
  • 以前のようにできなくなったことがありますか?
  • どのようなことが呼吸を楽にしますか?
  • 悪化させるのは何ですか?
  • 呼吸が苦しくなるようなアレルギーはありますか?

 

3-1.注目する視点(筋骨格・神経系)
  •  長期間の安静、車椅子使用、拘縮などによる機能低下
  • 麻痺、虚弱
  • 骨折
  • 握力、筋緊張、
  • 関節可動域
  • 身体の部分的欠損(四肢、手指、足趾など
  • 歩行バランス、立位バランス(ふらつき)

 

余談

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自らの大技によって体が限界を越えてしまい、片腕が使い物にならなくなり隻腕になってしまった格闘家、愚地克己さん(グラップラー刃牙:板垣恵介 作)

 

「だからこそ、前向きに生きていく」

そんな強い意志を、彼は持っていると思います。

 

世の中には、筋力低下、麻痺、骨折など、色々なことで運動に制限を持つ人はたくさんいます。

 

動きたくても動けない。

 

活動、運動に制限があるということは、

大きな苦痛が生じることだと思います。

 

「だからこそ、前向きに生きていく。」

 

そんな気持ちが患者さまに芽ばえる時まで、常にサポートをし続けられる看護師でありたいですね。

 

余談、おわり!

3-2.質問の仕方の例(筋骨格・神経系)
  •  手足の動きで不便なことがありますか?
  • ペンや箸を握ることができますか?
  • 座位や立位、歩行時にふらつきがありますか?
  • 身体を動かすことに何か障害がありますか?
  • 補助具(車いす・杖・歩行器・松葉杖など)を使っていますか?
4-1.注目する視点(日常生活行動)
  • 患者の運動性の状態はどうか
  • 活動を自力で行う能力はどうか
  • 日常生活を自力で行う能力はどうか(入浴・排泄・更衣・整容・食事)
  • 単純な運動能力はどうか(座る・立つ・歩く・階段を上る・扉を開くなど)
  •  家庭管理能力はどうか。(料理・買い物・家事・掃除・洗濯など)
  • 一人で生きていくための能力はどうか。
  • 一人で生きていくために必要とされる援助の量はどうか
  • 活動を困難にする原因があるかどうか(家の構造・階段など)
  • 事故やけがの危険因子があるかどうか

4-2.質問の仕方の例(日常生活行動)
  • 普段のあなたの一日の生活を教えてください。
    (清潔・料理・ショッピング・掃除・庭仕事など)
  • 利き手はどちらですか?
  • 利き手は自由に使えますか?
  • 日常生活行動のうちで、行うのが困難なものがありますか?
  • 現在の健康状態が、普段の行動にどのように影響していますか?(呼吸困難・息切れ・動悸・疼痛・拘縮・筋力低下など)
  • 誰か手助けしてくれる人がいますか?
  • どのように手助けしてくれますか?
  • 日常生活行動を行うのに何か補助具を用いていますか?
  • 入浴・更衣・食事・排泄に手助けが必要ですか?
  • 料理・掃除・買い物その他の家庭での仕事に手助けが必要ですか?
  • 運動は、いつ、どのくらいしますか?
  • 歩行に障害がありますか?
  • 健康を害したために運動ができなくなりましたか?
  • 体操をしているときに痛みとか不快感がありますか?
  • 行動する時に足の状態で困ることがありますか?

 

以上になります!

いかがでしたでしょうか。

 

おわりに

活動/パターンは、ADL(日常生活行動)やQOL(生活の質)をアセスメントするために大変役立つ情報を司っています。

 

そのため、看護診断についても立案がしやすいパターンであるといえるでしょう。

 

活動/運動パターンにおける情報とアセスメントをおさえておけば、3~4割の情報は収集出来たといっていいでしょう(5割まではいかない(^o^;)

 

それだけ大事ですから、確実に全ての情報をおさえておくことをおすすめします!

 

おわり!

ご意見をお待ちしています。

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【看護】認知/知覚パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】

こんにちは、栗鈴です。

今回の記事は、『【看護】認知/知覚パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】』です。

よろしくお願いします。

 

 

 

 

はじめに

看護実習でよく使われるマージョリー・ゴードンの看護理論から、

全11パターンの情報収集の目的と注目する視点、情報収集の質問の例についてまとめいます!

 

今回は

認知/知覚パターンというように、認知と知覚という言葉がセットになっていますね。

実際のところ、『認知』と『知覚』ではかなり情報収集の要点が異なってきます。

 

認知というのは、

(あたま)で身の回りや外界を判断する力のこと。

 

知覚というのは、

(の感覚)で身の回りや外界を判断する力のこと。 

 

例えば、

(あの笑ってる人、優しそうだな~)

と思ったときは、

  • 知覚(視覚)で「笑ってる」
  • 認知(経験や本能)で「優しそうだ」

と認識しているのです。

 

また、別の例ですと

(ピンポンと音が鳴ったから、インターホンの音だなぁ)

と思ったときは、

  • 知覚(聴覚)で「ピンポーン」
  • 認知(経験や音色)で「インターホン

を認識しているのです

 

なんとなく、わかっていただけたでしょうか???

(^o^;


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 魚沼宇水さん(るろうに剣心:和月伸宏 作より)は盲目の戦士ですが、異常聴覚によって常人を遙かに超えた空間認識能力を持っている上に、人の心まで読んでしまいます。

 

盲目の患者さまを何人か看させていただいたことがありますが、

意外と現実にも、こういう高い洞察力を持っている方は、いるんですよね…(゜∀゜)

 

これらをふまえて実際の情報収集に取り組んでみると、少しはわかりやすくなるんじゃあないかなと思います!(´▽`)ノ

 

今回は前置きが長くなりました( ̄。 ̄;)。

これくらいにしておいて…それでは、やっていきましょう!

 

 

5.認知/知覚パターン


情報収集の目的

  • 認知パターンは患者の理解力・コミュニケーション能力・記憶力・決断力(判断力)を知る。
  • 知覚パターンは五感(視覚・聴覚・触覚[痛みの知覚を含む]・味覚・臭覚)の機能状態を知ることである。

 

情報収集のポイント

  • 認知
  1. 患者の理解力
  2. コミュニケーション能力
  3. 記憶力
  4. 決断力

 

  • 知覚
  1. 空間認知
  2. 疼痛、悪心、嘔吐、掻痒感
  3. 咳嗽反射、嚥下機能
  4. 感覚器

 

認知

1.1注目する視点(患者の理解力)

  •  患者が質問を理解できるかどうか
  • 患者が質問に答えたり、指示に従うことが困難かどうか
  • 質問に対する患者の応答はどうか
  • 患者の精神状態はどうか
  • 意識レベル[JCS(ジャパン・コーマ・スケール:3-3-9 度)GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)]
  • 見当識障害の有無


1.2質問の仕方の例(患者の理解力)

  • あなたは医師からあなたの健康状態についてどのように説明を受けたか教えてください
  • 自分の病気や治療についてどのように理解していますか?
  • 新しい事を覚えているのはあなたにとって優しいことですか? それとも難しい事ですか? 
  • あなたにとって新しいことを覚えるもっとも良い方法は何ですか?(本や雑誌などを読む、テレビを見るなど)
  • 名前を教えてください
  • お年はいくつですか?
  • 今日は何月何日ですか?
  • あなたは今どこにいますか?


2.1注目する視点(コミュニケーション能力)

  • 患者の使う言葉の明確さや適切さはどうか
  • 患者が気になっている健康問題について表現できるかどうか
  • 会話の障害が日常生活にどのように影響しているか
  • 会話の障害がある場合の原因は何か(知識・習得能力・精神運動機能など)


2.2質問の仕方の例(コミュニケーション能力)

  •  現在の健康状態についてどのように感じているか話してください
  • 自分の受けている治療・薬について質問がある場合、質問することができますか?
  • 自分を表現したり物事を他人に説明するのは難しいと感じたことがありますか?


3.1注目する視点(記憶力)

  • 現在の日常生活についての質問に正確に答えられるか
  • 短期の記憶力はどうか(訪ねてきた人・食事の時食べた物・その日の出来事など)
  • 長期の記憶力はどうか (家族や健康問題・入院についての今までの経緯が述べられるかどうかなど)
  • 重要な過去の出来事を思い出すかどうか


3.2質問の仕方の例(記憶力)

  • 今日訪ねてきた人はどなたですか?
  • 今日の朝食に食べた物は何ですか?
  • 最近のできごとや過去のことを思い起こすとができますか?
  • 最近の事件を覚えていますか?
  • 昔の事件ではいかがですか?
  • 入院までの病気の経過について教えてください


4.1注目する視点(決断力)

  • 質問の回答が理にかなっているかどうか
  • 決断のための援助が必要かどうか
  • 決断の早さはどうか
  • その日に何をすべきかがわかる
  • 活動にみあった服装を決める事ができる


4.2質問の仕方の例(決断力)

  • 決断を迫られた時どのように感じますか?
  • 決断するときにどのような手助けが必要ですか?
  • あなたはなかなか決断できないほうですか?それともたやすくできるほうですか?
  • 何かを決めるとき誰かに相談してから決めますか?それとも、一人で決めますか?

 

 

知覚

1.1注目する視点(空間認知)

空間認知の定義

  1. 環境の空間的特性を認知すること。
  2. 環境における対象の位置・形・大きさを認知すること。
  3. 対象と観察者の関係を認知すること。

片側無視の定義

身体の片側に対して知覚的に気づかず注意を払わない状態。

  • 無視症候群を悪化させる因子があるかどうか。 
  • 視野欠損(視野障害)と合わせてどうか
  • 日常生活の場で安全に生活していく能力に及ぼす影響があるかどうか


1.2質問の仕方の例(空間認知)

  • あなたはどの部分に注意を払いづらい(見えづらい)か知っていますか?
  • それは日常生活の中でどんな時に気をつけていますか?
  • いつからそのような症状が出ましたか?


2.1注目する視点(疼痛、悪心、嘔吐、掻痒感)

  • 症状が日常生活に及ぼす影響は何か
  • 症状出現時の随伴症状は何か
  • 患者の症状の体験歴はどうか
  • 症状を起こすきっかけになるような誘因は何か
  • 症状に対処する効果的な方法は何か
  • 症状の原因は何か
  • 自律神経失調の病歴があるかどうか


2.2質問の仕方(疼痛、悪心、嘔吐、掻痒感)

  • 痛み(吐き気・かゆみ)はありますか?
  • それはいつ頃、どのように、どれくらい続きますか?
  • 痛み(吐き気・かゆみ)に伴う症状がありますか?
  • あなたは痛み又はそれによる不快感を経験したことがありますか?
  • もしあるとすれば、その時の状況とその原因と考えられることを話してください
  • 痛み(吐き気・かゆみ)を悪化させる(和らげる)因子は何ですか?  
  • 痛み(吐き気・かゆみ)に対するあなたの対処方法を教えてください
  • 薬を飲むことで痛み(吐き気・かゆみ)は軽減しましたか?
  • もし軽減したとしたらその薬の名前と量と何回飲んだか、そして飲んだ間隔を教えてください
  • 痛み(吐き気・かゆみ)のために運動・仕事・社会参加などの普通の日常生活を行うために限界を感じたことがありますか?
  • 不快を軽減する工夫を行ったことがありますか?
  • それはどんなことで、どのような効果がありましたか?


3.1注目する視点(咳嗽反射、嚥下機能)

  • 嚥下に伴う問題があるかどうか
  • 病態生理学的因子があるかどうか


3.2質問の仕方の例(咳嗽反射、嚥下機能)

  • 食物や水分を食べたり飲んだりしてむせやすいですか?
  • それはどのような食べ物ですか?


4.1注目する視点(感覚器)

留意点

老人の感覚消失に対しては、多くの適応技術が安全や喜び・生活の自立を高めるのに利用できる。そのため、注意深く観察する必要がある。

 

  • 感覚器の障害の程度はどうか(視力・聴力・皮膚の感覚[触覚・痛覚・寒冷感覚]・味覚[辛い・甘い・苦い・すっぱい]・匂い・痺れ・眩暈)
  • 感覚欠損が日常生活行動への影響はどうか 
  • 感覚消失が先天的なものか。正常な老化過程によるものか。 
  • 感覚の低下にうまく対処するための工夫があるかどうか  
  • 感覚補助道具(眼鏡・補聴器など)の使用の有無


4.2質問の仕方の例(感覚器)

  • 目はよく見えますか?
  • (見えない場合)眼鏡など何か使用していますか? 
  • 視覚上の問題があなたの生活の妨げになっていませんか?(買い物・支払い・車の運転など)
  • 耳はよく聞こえますか?
  • 耳のどちら側が聞こえにくいですか?
  • 高い音と低い音ではどちらが聞こえにくいですか?
  • 難聴のために周囲の人と関わることを避けたり、煩わしいと思ったりしますか?
  • 触られた感じがわかりますか?
  • 触られた感じがわからないところはどこですか?
  • 痺れているところがありますか?それはどこですか? 
  • 手や足が痺れたり感覚がなくなったことがありますか? 
  • お風呂の温度を見るのが難しいですか?
  • 今までに、気づかないうちに傷を作っていたということがありましたか?
  • 香りや味について、おかしいと感じたことがありますか?
  • ある特定の香りに特別な違和感がありますか? 
  • めまいやふらつきはありますか?それはどのようなときですか?

 

以上になります!

いかがでしたでしょうか。

 

おわりに

認知/知覚パターンは、そのほかのパターンと比べても、より患者さまの身体状況に即した情報収集を司っています。

その分、多くの情報が適切なケアプランを立案するために役つことでしょう。

 

患者さまの安全や、生活の質を高めることに情報収集やアセスメントから結び付いた看護ケアが貢献できている感覚が実感できると、看護師としての達成感や喜びもひとしおですよ!

 

少しでも患者さまが幸せに暮らせるように、まずは徹底的に情報収集を行うことから、すぐに始めていきましょうね!!

 

おわり

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【看護】睡眠/休息パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】

こんにちは、栗鈴です。

今回の記事は、『【看護】睡眠/休息パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】』です。

よろしくお願いします。

 

 

 

 

はじめに

みなさんは、最近ちゃんと眠れてますか?

6時間くらいは寝れてます?

私の場合は、夜勤があるので睡眠時間もリズムもバラバラです…

ちゃんと眠れているかといわれると、多分寝れてないのかなぁ…

 

夜勤明けは半日くらいは寝るときもありますね…

それでも体がだるい時もありますし…

いや、それは逆に寝すぎか…

 

また、3時間位しか寝なかったとしても、

逆にすっきりとしてる時もあるんですよね…

サーカディアンリズムとか、レム睡眠とかノンレム睡眠とかの影響か…

よくわからんです。

 

ところで、睡眠に対する満足感が得られていない人は、

数を数える、深呼吸する、音楽を聴くなどして、

眠るために何らかの工夫をしていることが多いです。

 

ですが、入院している場合は、

周囲に人がいることで気を遣ってしまい、

眠るための工夫が出来ずに眠れないという患者様もいますね。

 

患者様がぐっすり寝られるように、患者様の状態をしっかり把握して、

適切な睡眠のケアができるように努めていきましょう!

 

それでは、やっていきましょう!(´▽`)ノ

 
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神楽。(銀魂:空知秀秋作)

目がバキバキですが、実際にこういう患者様はたくさんいます。

 

 

 

睡眠/休息パターン


情報収集の目的

  • 患者の通常の睡眠パターン、その変調について、休息と睡眠の質に満足しているかを知る。
  • 休息や睡眠を促進する方法や学習について知る。

情報収集のポイント

  1. どのような睡眠習慣なのか
  2. 睡眠に関する問題は何か
  3. 睡眠の補助として何か利用しているのか

1-1.注目する視点(睡眠習慣)
  • 普段の睡眠時間はどれくらいか
  • 普段の仮眠の習慣があるかどうか

1-2.質問の仕方の例(睡眠習慣)
  •  普段、一日に何時間眠りますか?
  • 何時に眠りにつき、何時に起きますか?
  • 日中に昼寝をしますか?それはいつ、どれくらいの時間ですか?

2-1.注目する視点(睡眠に関する問題)
  • 覚醒時の倦怠感、または日中の倦怠感があるか
  • 休息と睡眠の質はどうか
  • 入眠困難があるかどうか
  • 睡眠維持困難があるかどうか
  • 日中の居眠りがあるかどうか
  • 睡眠パターンの障害の原因は何か
  • 病態生理因子:排泄障害など
  • 治療関連因子:ギプス・牽引・薬物など 
  • 状況因子:運動不足・疼痛・不安・環境など

2-2.質問の仕方の例(睡眠に関する問題)
  • 自分の睡眠パターンに満足していますか?
  • 普段休息したという満足感がありますか?
  • 日中、活動的に行動していると感じますか?
  • 眠りにつくのに問題がありますか?
  • 寝付きが悪いほうですか?
  • ウトウトして寝付かれないことがありますか?
  • 起床後も疲れを感じますか?
  • 現在の病気が睡眠習慣に変化を与えましたか?
  • 睡眠習慣が現在の健康状態に影響を与えていると思いますか?
  • 寝付きが悪かったり熟眠できないのはどうしてだと思いますか?

3-1.注目する視点(睡眠の補助)
  •  入眠を促すためにどのような工夫をしているか。(読書・リラクゼーション・音楽を聞く・テレビを見るなど)
  • 入眠を促すために使う補助具があるかどうか

3-2.質問の仕方の例(睡眠の補助)
  • 眠りやすくするために何かしていますか?(読書・リラクゼーション・テレビを見る・音楽を聞くなど)
  • 睡眠のために何か薬を飲んだことがありますか?
  • 眠りにつく時に使用する物はありますか?(音楽、抱き枕、お酒など…小児の場合:おしゃぶり・ミルク・タオルなど)

 

以上になります!

いかがでしたでしょうか。

 

おわりに

持論としましては、

患者様の睡眠をより良いものにするには、

まず自分の睡眠のリズムを整えないといけないかなと思いますね。

 

要は、睡眠に関する問題は人ごとではないってことです。

 

どうすれば十分に睡眠ができるか根拠を持ってアドバイスができるように、

時々は自分の日頃の睡眠習慣や問題点、工夫の方法について見直しましょう!

そして、実習中はちゃんとよく寝るようにしてくださいね~

実習記録は、一つの項目に集中して時間をかけるのではなく、全体的にさらっと手を付けていくことがコツです!

 

ちょっと寝られなくても、そんなに支障ないでしょ~とか思ってはNGですよ~

実習に居眠りしちゃったら減点になりかねません…

 

患者さまがしっかり睡眠できるように、

自分もしっかり寝て、患者さまをサポートしていきましょう!

 

おわり

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【看護】自己知覚/自己概念パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】

こんにちは!訪問看護師の栗鈴(くりりん)です。

マージョリー・ゴードンの看護理論から、全11パターンの情報収集における注目する視点と、情報収集の質問の仕方の例についてまとめてみました。今回は、『【看護】自己知覚/自己概念パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】』です。是非参考にしてください!

 

 

はじめに

みなさんは、自分のことで何か悩んでることってありますか?顔がイヤとか、もっと筋肉つけたいとか、もっと体力つけたいとか、もっと明るくなりたいとか…意外と小さなことから大きなことまで挙げるときりが無い、という方もいるんじゃないでしょうか。(私がそうなのですが)ですが、そんな悩みがちっぽけになるくらい、患者さまは、大きな悩みを持っていることがあります。そして、治療の過程の中で、それでも強い気持ちを持って前向きに生きていくのです。看護師は、そんな気持ちの支えとなれるように常に患者さまの気持ちを見守っていく必要があるでしょう!

さあさあそれでは、やっていきましょう! 

 

7.自己知覚/自己概念パターン

情報収集の目的

  •  患者自身が描いている自己の全体像とそのイメージに対する自分自身の満足について知る。
  • 患者の行動や態度・感情パターンについても知る。

情報収集のポイント

  • 自分そのものに対してどのように感じているのか(自己評価)と、自分の目でみた自分の外的な印象(ボディイメージ)について情報収集していく。

1.1注目する視点(自己評価)

  • 患者本人の自己評価はどうか
  • 自己評価に関連のある内容と感情は何か
  • 患者の体力に対する感覚はどうか
  • 他者による受容と評価はどうか
  • 身体的・知的・社交的広がりの能力はどうか
  • 言葉によらない合図、アイコンタクト、身なり、姿勢、動き、雰囲気、感情、声や話し方などを観察する

1.2質問の仕方の例(自己評価)

  • あなたはあなた自身をどのように思っているか話してみてください
  • 自分の性格をどのように思っていますか?
  • 病気になったことで自分に対する考え方が変わりましたか?
  • あなたの長所と短所は何ですか?
  • 自分自身について好ましいと思っていることが多いですか? それともあまり好ましくないと思っていることが多いですか? 
  • 自分自身についてどのように感じていますか?
  • 家族の人たちはあなたの病気についてどのように感じていますか?また、家族の人たちはあなたについてどのように感じていますか?

2.1注目する視点(ボディイメージ)

  • 患者自身が身体に関して心に描く像や感情はどうか
  • ボディイメージに対する患者自身の満足度はどうか
  • ボディイメージを脅かしたり変化させるかもしれない身体的な状態があるかどうか(熱傷・褥創・人工肛門・乳房切断・肥満など

2.2質問の仕方(ボディイメージ)

  • 自分の容姿・外見についてどのように感じてますか?
  • 自分の体で気になるところがありますか?
  • 病気によって自分自身に対する感じ方が変わりましたか?
  • 病気によって自分の容姿・外観の認識が変わりましたか?
  • もし可能なら自分の容姿・外観はどのようになりたいですか?

以上になります!いかがでしたでしょうか。

 

まとめ

簡単に言ってしまうのも何ですが、自分のことについてまじめに考えるという時間は、とても大事なことだと思います。それによって、前向きに物事を考えて明るく過ごせる人もいれば、後ろ向きに考えて気持ちが暗くなる人もいます。でも、もし患者さまが自分のことについて後ろ向きに考えていたとしても、看護師は無理に励ます必要はありません。後ろ向きに考えること自体は、なんの問題もありません。(問題なのは、それから発展する自傷行為や、自殺や不眠などの二次的な精神症状)自己概念に関しては、悩んだり辛いことがあっても、そのことをゆっくり受け入れるということが出来ていれば、それでいいんです。

↑ドラえもんとのび太(ドラえもん:藤子不二雄 作)

『いちばんいけないのは じぶんなんかだめだと 思いこむことだよ』

のび太はこう言ってますね。自分を尊重することはとても大事なことですね。

私の場合は「自分がダメだと思ってもいいから、それでもかまわない」と思うと、ダメな自分を許すことが出来て、気持ちがだいぶ楽になるんじゃないかと考えています。(決して自暴自棄になるのではなく、ゆっくりと、自分の頑固さを柔らかくしていくようなイメージ。)看護師は、その過程をしっかり見守り、支えることに徹底することが大事です。つまり、患者さまを信じる、ということですね。患者様の自己受容を信じ、見守ることが出来る看護師を目指していきましょう!

 

おわり!

他のゴードンの看護アセスメントも全部記事にしていますので、ぜひみてみてくださいね!

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【看護】役割/関係パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】

こんにちは、訪問看護師の栗鈴です。

今回の記事は、『【看護】役割/関係パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】』です。よろしくお願いします。

 

 

はじめに

マージョリー・ゴードンの看護理論から、全11パターンの情報収集の例と、内容・質問の仕方について、まとめています。ぜひ、みなさんの看護過程に、参考程度にお役立てください!

今回は、役割/関係パターンについて取り上げています! 

看護というのは、患者さまだけを対象に実践しがちですが、同じくらい大事な看護の対象がもうひとつあることは、ご存じですよね!つまり、家族(ケア提供者)です!

患者さまだけではなく、キーパーソンであるご家族さまを対象にした情報収集や看護実践を行うことで、より患者さまの退院後の生活の質を高めることができる場合もあります。

 
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↑ ブローノ・ブチャラティ(ジョジョの奇妙な冒険:第五部 荒木飛呂彦 作)。

「患者さまを看る」「ご家族さまも看る」

「両方」やらなくちゃあならないってのが「看護師」の辛いところです。

ここでは、家族も対象に入れた看護実践を行うことを念頭に、質問の仕方の例を載せています。ご参考にしていただけると幸いです。

では、やっていきましょう!

役割/関係パターンの情報収集の目的

  • 患者が家庭内の役割や責任や社会生活における役割や責任を、どのように知覚しているかを知る。
  • 人間関係に対する満足度を評価すると同時に、他者との相互関係についての問題点も知る。

 

情報収集のポイント

  • 以下の3点に着目して情報収集する。
  1. [家庭内での主な役割と責任の知覚
  2. [仕事上での主な役割と責任の知覚
  3. [社会における主な役割と責任の知覚

※留意点

  • ここでいう「ケア提供者」とは身の回りの世話をする人である。
  • 「精神的なキーパーソン」=「経済的支援者」とは限らない。

1.1注目する視点(家庭内での主な役割と責任の知覚)

  •  家族構成はどうか(同居・別居の有無)
  •  家庭内での主な役割は何か(意志決定・収入源・家事・育児・老人の世話など)
  •  面会状況(面会人・時間・面会時のやりとり)
  •  役割変化による問題があるかどうか
  •  家族メンバーがどんな責任や自立性を持っているか
  •  患者を中心とした家族の状況・健康状態の考え方はどうか
  •  家庭内での問題をどのように解決しているか
  •  患者の入院を家族がどのように感じているか

1.2質問の仕方の例(家庭内での主な役割と責任の知覚

  •  ご家族について教えてください
  •  あなたの精神的支えになる方はどなたですか?
  •  家族で主に決断を下すのはどなたですか?
  •  経済的支えはどなたですか?
  •  家庭におけるあなたの役割は何ですか?
  •  家族の中で一番身近な方は誰ですか?
  •  あなたが病気の時家族にどのような影響を与えますか?
  •  あなたは何か処理に困っている家族問題がありますか?
  •  家庭内に問題が起こったとき、どのように解決しますか?
  •  あなたの病気によって家族内の関係に何か変化がありましたか?

2.1注目する視点(仕事上での主な役割と責任の知覚)

  •  職業、仕事に関するストレスはどうか
  •  仕事上の役割及び満足度はどうか

2.2質問の仕方の例(仕事上での主な役割と責任の知覚)

  • あなたの職業について教えてください
  •  ご自分の仕事に満足していますか?
  •  仕事はうまくいっていますか?
  • 仕事上での問題がありますか?
  •  あなたの健康状態は仕事にどのような影響をきたしていますか?

3.1注目する視点(社会における主な役割と責任の知覚)

  •  人間関係に変化があったかどうか
  •  社会における役割及び満足度はどうか
  •  孤独感の表出があるかどうか(言葉・表情・態度・しぐさなど)

3.2質問の仕方の例(社会における主な役割と責任の知覚)

  •  グループ活動や地域活動に参加していますか?
  •  人間関係はうまくいっていますか?
  •  人生の中でもっとも大切な人は誰ですか?
  •  あなたは社会にどのような貢献をしていると思いますか?
  • ご家族について教えてください
  •  あなたの精神的支えになる方はどなたですか?
  •  家族で主に決断を下すのはどなたですか?
  •  経済的支えはどなたですか?
  •  家庭におけるあなたの役割は何ですか?
  •  家族の中で一番身近な方は誰ですか?
  •  あなたが病気の時家族にどのような影響を与えますか?
  •  何か処理に困っている家族問題がありますか?
  •  家庭内に問題が起こったとき、どのように解決しますか?
  •  あなたの病気によって家族内の関係に何か変化がありましたか?

以上になります!いかがでしたでしょうか。

ご家族さまへのケアを視野に入れた看護を取り入れることが、結果的に患者さまの看護実践への助けになったり、看護そのものになることだってあります。

ご家族さまやケア提供者に関する情報収集を十分に行うことによって、看護師が出来る観護の幅は大きく広がっていくことと思います。

また、ご家族さまからの信頼関係が得られることで、患者さまとのより深い絆を得ることにも繋がっていくでしょう。

患者さまからもご家族様からも信頼される…そんな素晴らしい看護師を目指していきたいですね!

おわり!ご意見をおまちしています!

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【看護】性/生殖パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】

こんにちは、訪問看護師の栗鈴です。

今回の記事は、『【看護】性/生殖パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】』です。よろしくお願いします。

 

 

はじめに

マージョリー・ゴードンの看護理論をもとに、全11パターンの情報収集の目的と、内容の例、質問の仕方について、まとめてみました!ぜひ、 みなさんの看護過程に活用していただければと思います!

今回は、性/生殖パターンについて取り上げています! 

おそらく11パターンの中で、価値/信念パターンを抜いて、最もとっつきにくいのがこのパターンだと思われます。

このパターンの情報が臨床で活用されるのは、産科や婦人科や乳腺科など、女性特有の疾患や妊婦さんなどがいる病棟になるでしょう。

もしくは、泌尿器科など、男性特有の問題もこのパターンでの情報を収集することで色々と分析が出来るかもしれません。 

性というのは、ややデリケートな内容になりがちなので、患者さまに質問をする場合は、環境やタイミング、相手との信頼関係などを十分に考えてから行うようにしましょう!

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↑メレオロンとキルア(HUNTER×HUNTER 冨樫義博:作)

デリケートな質問は空気を読みましょうね…

それでは、やってきましょう!

性/生殖パターンの情報収集の目的

  • 患者の性的欲求の充足や満足のレベルを知る。  
  • 患者の生殖パターンを判定し、性生活やパートナーとの関係、自己概念に関する問題を明らかにし、患者の現在の心理状態が、患者の性や性表現にどのような影響を与えているか知る。

性/生殖パターンで注目する視点

女性のみ

  •  月経歴はどうか 
  • 妊娠歴はどうか
  • 経産歴はどうか

男性・女性

  • 生殖機能と性的役割はどうか
  • 性的役割上の満足度はどうか
  • 病気との関連はどうか(アルコール中毒・糖尿病・慢性腎疾患薬物中毒・外科的手術[乳房切除・大腸切除・子宮切除術など]など)

質問の仕方の例

  • はじめて生理になったのは何歳ですか?
  • 今回の生理はいつ始まりましたか?
  • 生理は何日続きますか?
  • 生理の周期はどれくらいですか?
  • 不正出血がありますか?
  • 何回妊娠したことがありますか?
  • これまでの妊娠の結果を教えてください。
  • 今までの妊娠での健康上の問題や関心事について教えてください。
  • 今回妊娠したことで困ったことや不愉快に思ったことがあれば話してください。
  • お子さんは何人いらっしゃいますか?
  • 流産なさったことがありますか?
  • 避妊の方法で何か問題がありますか?
  • 性に対する不快な事や不安なことがありますか?
  • 自分の病気が性関係に影響を与えると思いますか?
  • 性の悩みについて相談できる人がいますか?
  • 性の問題についてパートナーと話し合いができますか?

以上になります!いかがでしたでしょうか。

おわりに

実際には聞きづらい内容もありますが、こうした内容について悩み、サポートを求めている患者さまや妊婦さんもきっといることだと思います。

こちらからむやみにお節介のように尋ねるのではなく、

『聞きたいときにはいつでもなんでも応えられる準備が出来てますよ』(ゝω・)

ということを伝えておき、その人の個別のニーズに応じてサポートしていくのが、間違いない対応になるかと思います!!


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なんでも相談されるような人間を目指したいものですね。 

患者さまとの確固たる信頼関係を築き上げ、どんなことも気軽に相談されるような関係なれたら、ホントにステキですよぉ~

おわり!ご意見をおまちしています。

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【看護】ストレス/コーピング耐性のアセスメント・情報収集の例【ゴードン】

こんにちは、訪問看護師の栗鈴です。

今回の記事は、『【看護】ストレス/コーピング耐性のアセスメント・情報収集の例【ゴードン】』です。よろしくお願いします。

 

 

はじめに

マージョリー・ゴードンの看護理論をもとに、全11パターンの情報収集の内容の例と、質問の仕方の例についてまとめてみました。

今回は、コーピング/ストレス耐性について取り上げています! 

みなさんは、日頃ストレスたまってますか?私は普段は人に怒ったりすることはあまりないのですが、あんまり話を聞いてくれない先生とか、向こうが悪いのになぜか向こうからキレてきたりする時や、理不尽なことに対しては、めっちゃイライラします!!

でも怒ってもなんにも解決しないので、なるべく自分の中で怒りを笑いに変えたりして、想像力を使って対処したりしています!これぞ、効果的なコーピングです。


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↑フリーザ(ドラゴンボール:鳥山明 作)

「ふふふ…まったく人をイライラさせるのがうまいやつらだ……」

怒りを笑いに変えようと必死に取り組むフリーザ様は、まさに帝王の鑑ですね。

ぜひ、参考にして臨床での看護に活用していただければと思います!

それではいってみましょう!

コーピング/ストレス耐性パターンの情報収集の目的

  • 患者の生活の中でのストレスの領域と量を知る。
  • ストレスに対処するために用いているコーピング(緩和・解消)方法の有効性を知る。

コーピング/ストレス耐性パターンで注目する視点

  • 患者が今経験しているストレッサー(ストレスの発生源)を認識、確認できるかどうか
  • 過去のストレスとなる出来事をどのように対処してきたか
  • 現在のコーピング(ストレス解消・緩和のための対処)方法は何か
  • 現在のコーピング方法の有効性はどうか
  • 趣味があるかどうか
  • ケア提供者の役割はどうか

コーピング/ストレス耐性パターンにおける質問の仕方の例

  • 今、何が一番心配ですか?
  • 生活上、自分にもっともストレスを与えていると思うものは何ですか?
  • 今まで一番つらかった経験はどのようなことでしたか?あなたはその難局をどのように切り抜けましたか?
  • 普段の生活の中で自分のことについて何か問題が生じたとき、あなたはどうしますか?
  • 普段、どのように問題を処理しますか?
  • あなたはいつもストレスや緊張を和らげるために何をしていますか?
  • あなたはいらいらしたり心配事があるときにはそれを誰に相談しますか?
  • 趣味はお持ちですか?
  • あなたの身の回りの世話をする人はどなたですか?
  • その方はあなたとどのような関係ですか?

 

以上になります!いかがでしたでしょうか。

おわりに

ストレスというものは、言いかえると『人生という旅の中で背負った、大事なお荷物』みたいなものだと私は考えています。

ストレスは、豊かな人生を形成する上で、ある程度は必要であるものの、それが大きすぎれば重圧となり、負担や苦痛に感じてしまうようにもなるでしょう。

ですから、ストレスがある程度大きくなったら、上手くストレスと向き合うことで解消したり、他の人からのサポートなどを受けてストレスを軽くしたり、誰かが代わりに運んだりする必要があると思います。 

個人差はあれど、人はいつまでも、自分の限界を越えたストレスを背負い込むことは出来ないと私は思います。さもなければ、きっとその人は途中で力尽きてしまうでしょう。だから、人々は助け合ったり、仕事をしたりするし、時には辛く人に当たったり、泣いたり叫んだりすることもある。私はそう思います。

患者さまがどのような人であっても、その人の人生を尊重して、その人の人生の荷物の大きさと中身を知ることに努めて、どんな時でもその荷物を軽くしたり、一緒に運んでいけるように、サポートが出来るようにしていきたいですね!

そんな看護師に、私はなりたい(*^_^*)

おわり!ご意見をおまちしています!

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【看護】価値/信念パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】

こんにちは、訪問看護師の栗鈴です。

今回の記事は、『【看護】価値/信念パターンのアセスメント・情報収集の例【ゴードン】』です。よろしくお願いします。

 

 

はじめに

マージョリー・ゴードンの看護理論を参照に、全11パターンの情報の内容と情報収集の例についてまとめてみました。

今回は、 11.価値/信念パターンについてまとめています。是非参考にしてください!


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↑京都府の東寺で買った鳥獣戯画のTシャツ。

 

私は無宗教ですが、お寺や神社大好きで、浄土真宗の考え方も少し勉強しました。

 

人生を豊かに楽に生きる上で役に立っています。いつか京都の高山寺に行ってみたいですね。鳥獣戯画、最高です(^∇^)

 

それでは、やっていきましょう!

価値/信念パターンの情報収集の目的

  • 患者の選択や決断に影響を与える人生における価値、目標、信条、宗教的信念などを知る。
  • 健康に関する価値、目標、信念、期待の葛藤を知る。

価値/信念パターンで注目する視点

  • 価値観(仕事、家族、友人など、生き方において何を重要としているか)
  • 人生目標は何か
  • 信条(固く信じていること)は何か
  • 信仰する宗教があるかどうか
  • 宗教的行為の重要性はどうか
  • 患者の精神的健康ニーズは何か
  • 患者の精神的健康ニーズを満たすために利用できる手段は何か
  • 精神的信念と現在の健康状態との関係はどうか

価値/信念パターンの質問の仕方の例

  • 日頃から信条にしているものがありますか?(宗教・物・人物など)
  • 人生で一番大切なものは何ですか?
  • あなたの意志決定にもっとも影響を与えるのは何ですか?
  • 人生における希望や生きる力の主要な源は何ですか?
  • 何か宗教をお持ちですか?
  • 必ず行う健康習慣や儀式などがありますか?
  • 入院中連絡を取りたい宗教上の重要な人(例えば牧師や僧侶)がいますか?
  • 牧師や僧侶の訪問を希望しますか?

 

以上になります!いかがでしたでしょうか。

おわりに

日本は無宗教の家庭が多いためか、価値・信念パターンにおける情報がほとんど無いことが多いですね。

ですが、だからこそ宗教を重んじる患者さまに出会ったならば、決してその宗教における考え方を蔑ろにしてはいけません。

宗教によっては、終末期やお看取りにおける患者さまへの関わりが、特殊になるケースもあります(浄土真宗では基本的に末期の水は行わない など)。

誠実な姿勢と態度を持ち、患者さまとご家族さまの価値観を十分に尊重して接することが出来るように心構えの準備をしておきたいですね!

おわり!

ご意見をおまちしています(゜∀゜)

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転倒リスク状態の看護計画の例【OP・TP・EP】

こんにちは、栗鈴です。

今回の記事は、『転倒リスク状態の看護計画【OP・TP・EP】』です!

よろしくお願いします。

 

 

 

はじめに

患者さまの安全を守るために、看護師がすべきことはなんでしょうか?

 

私はやはり、「事故を防止する」ということが第一かなぁと思います。

 

では、実際にはどんな事故があるでしょうか。
 
色々ありますが、私がすぐに思いつくのは患者さまの「転倒」および「転落」です。
どこの病院でもそうだと思うのですが、患者さまの転倒は、どうしても少なからず発生してしまうものだと私は思います。
 
看護師だって、何もない所でつまづいて、ずっコケちゃうこともありますからね。

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人生の中で一度も転んだことのない人は、誰一人いないんじゃないですかね
とはいえ、可能な限り転倒が起こらないような看護師は色々な角度から対応をしなくてはいけません。
転倒は時に交通事故レベルのダメージを身体に与えます!
例えば骨折とか‥
当たりどころ次第では、重い障害が残ることもしょっちゅうあります。
おどしてすみません!本題に入りましょう。
 
 

転倒リスク状態のリスク因子

転倒の3因子
早速ですが、転倒はなぜ起こるのでしょうか?
 
転倒が起こる要因には、大きく分けて3つの因子があります!
  1. 患者さま自身から生じる「生理的因子
  2. 患者さまのまわりから生じる「環境因子
  3. 薬による薬理作用から生じる「薬物因子

これらを、これから一つずつ勉強していきます!(^^)

1.生理的因子
いきなりですが、例えば、みなさんトイレに行きたくなったとします。
そうしたら、トイレまで歩いていきますよね。
 
「じゃあ、目を閉じたままトイレまで行ってきてください」
みなさんがこう言われたら、言うとおりに目を閉じたまま、トイレにたどり着くことができるでしょうか?
まぁなんとか気合でたどり着けるかもしれませんね。
 
では、知っている場所ではなく、知らない場所だった場合はどうでしょうか?
おそらく、たどり着くのは困難ではないでしょうか。そしたら失禁ですね( ゚д゚)
 
このように、
「目」が見えなくて転ぶとか、
「耳」が聞こえなくて、近くの人に気づかずにぶつかって転ぶとか、
「足」の筋力が低下していて、それだけで、立ったり座ったりしているだけでもバランスが取れずに転んでしまうとか‥
 
そうしたリスクのことを「生理的因子」とよびます。
 
ほかに例を挙げますと、
  1. 下肢切断、痛み、足の障害などによる「歩行困難
  2. 麻痺などによる身体の「可動性の障害
  3. メニエル病などによる「平衡機能の障害
  4. 起立性低血圧、貧血などによる「ふらつき、めまい
  5. 頻尿や過敏性腸症候群などの「排泄切迫」(慌てたり焦りなどで転んでしまう)
  6. 不眠」などにより視界不良な夜間に歩いて転んでしまう
  7. 急性期」における苦痛を伴う症状の存在
  8. 悪性新生物や低血糖などによる「倦怠感
  9. 移動に介助が必要にも関らず理解ができないことによる「認知機能の障害
などがあります。
わりと挙げるとキリが無いです。
 

 

 2.環境因子
「生理的因子」は、身体に関する転倒のリスク因子でした。
つまり、患者さまそのものに存在している「内的因子」である
といいかえることができると思います。
 
「内的因子」があれば、その反対の「外的因子」もあります。
「外的因子」それがイコール「環境因子」になります。
 
患者さまの周囲が原因で生じる転倒のリスクです。
 
例を挙げますと、
  1. 慣れない療養環境(普段布団で寝ていた患者さまが、ベッドに変わったことで眠れなくなったり、十分に休めなくなる等)
  2. 散らかった環境(チューブ、コード類等)
  3. 夜間の薄暗い照明による視界不良
  4. 排泄環境(トイレまでの距離が遠い、ポータブルトイレによる臭気や羞恥心等)
  5. 医療機器(酸素チューブや点滴、モニターのコード等)
  6. 補助器具(車椅子、歩行器、松葉杖等)
  7. 身体拘束
  8. 天候(雨や曇りで薄暗くなる等)
などがあります。
 
看護師は環境整備を日頃から行っていますが、
それを怠れば、転倒のリスクが高まると言いきっていいでしょう。
 
患者さまが気持ちよく生活できるために環境整備を行う事は、転倒の予防につながります!
 
決して手を拔かずにきっちりやっていきましょう!
 
また、入院中だけでなく退院後の生活も考えた場合は、
退院後の生活環境についても考慮しなければいけない場合もあります。
 
例えば、65歳以上で転倒リスクが高く、独居(一人暮らし)などの患者さまの場合は、必要に応じて介護保険サービスの導入や変更が必要になることもあるでしょう。
 

 

 3.薬物因子
患者さまにとって、治療のためのお薬は欠かせない場合が多々あるかと思います。
ただ、お薬は基本的に体のシステム(生理的機能)に直接働きかけるものが多く、それに伴う副作用の出現に注意が必要になります。
 
副作用の中には、転倒のリスクを高めるものがあります。
そうしたお薬を内服している患者さまは、十分な観察が必要かと思われます。
 
下記のお薬を内服している患者さまは転倒のリスクが高まりますので、注意していきましょう!
  1. 催眠薬』(中途覚醒により、足もとのふらつきが生じやすくなります:マイスリーなど)
  2.  『利尿薬』(尿回数の増えることで、移動回数も増えるため、転倒リスクが高まります:フロセミドなど)
  3.  『降圧薬』降圧作用により、ふらつきがでやすくなる(起立性低血圧を生じる:アダラートなど)
  4.  『麻薬』(約50%程度の患者さまが眠気の副作用を生じる:オキシコンチンなど)
  5.  『抗精神病薬』(不穏、せん妄、興奮など気分変動により、危険な行動や転倒の可能性が高まります:パキシルなど)
  6.  『抗うつ薬』(眠気、注意力低下などの中枢神経症状が出やすくなる:トリプタノールなど) 
  7. 抗不安薬』(注意力低下などの症状がでやすくなる:アタラックスPなど)
  8.  『アルコールの飲用』(注意力の低下が生じる:アルコール中毒など)
   
このように、転倒のリスクをずらりと上げると、かなりの量になることが分かりました。
 
実際には、ここで挙げている以外にも、様々な要因で転倒が起きてしまっているかと思います。
 
患者さまの転倒リスクの要因を1つでも除去し、転倒が少しでも減るように行動出来るようになりましょう!
 

 

転倒リスク状態の観察計画(OP)

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1.意識レベル、精神状態(穏やかであるかどうか)

見当識がない患者さまは、時間・空間の感覚が理解できないことがあります。
すると、夜に徘徊したり、歩いている道がわからずに迷ったりすることがあります。
不穏・興奮などを生じている患者さまは、異常行動の有無に注意が必要です。
 
歩けないレベルのADLであっても、ベッドから転落する可能性があります!

2.認知症の既往の有無

認知機能低下により、異常行動や夜間徘徊、不穏を生じている場合は、転倒リスクが高い!!
 

3.治療のコンプライアンス(治療拒否、入院理由が分からないなどの訴え)

認知機能低下の有無の評価に繋がる観察となります。認知機能低下≒転倒リスク高い!!

4.麻痺の有無

麻痺で生じる感覚機能障害により、移動が困難になります。


5.運動障害の有無(下肢切断、外傷、関節拘縮、下肢筋力低下など) 

下肢切断などで移動が困難な患者さまは、転倒リスクが高まるといってよいでしょう。
 

6. ADLの状態(食事・更衣・入浴・排泄・移動)

 補助具の使用の有無を確認しましょう(杖、松葉杖、車椅子、シルバーカー、歩行器など)。

 

補助具の使用の有無によって、環境要因として転倒リスクにつながってきます。
 

7. 視力・聴力の程度(眼鏡や補聴器の使用の有無) 

麻痺と同様に、感覚障害のある患者さまは転倒リスクが高まるといってよいでしょう。
 

8.めまい、ふらつき、気分不快の有無

めまいやふらつきの程度によっては、立っていられずに倒れ込んでしまうことがあります。
 

9. 環境(ベッドの高さ、柵・ポータブルトイレの有無、廊下の障害物)

散らかっていたり、不適切な場所に補助具を置くなどの要因により転倒リスクが高まります。
 

10.衣服・靴(活動しやすいものであるかどうか) 

患者さまの身につけているものも環境要因として観察するようにしていきましょう。
 

11.検査データ(Hb、血糖、その他異常値)、 脱水症状、出血傾向の有無 

貧血や脱水症状により、めまいやふらつきを生じやすくなります。
循環血液量の低下により、ショックを起こすことがあるからです。
 

12.ドレーン、ルート類の有無・状態(固定の状態や部位、絡んでいないか等)

整理れていないルート類は、転倒や自己抜去のリスクが高まります。

 
13.薬物の使用状況と離脱症状の有無

薬物

  1. 降圧薬
  2. 利尿薬
  3. 睡眠薬
  4. 抗うつ・抗不安薬
  5. 麻薬

離脱症状

  1. 眩暈
  2. せん妄
  3. 発熱
  4. 嘔吐
  5. 痙攣
  6. 不穏 
薬剤によってはめまい、ふらつき、意識レベル低下などを起こすことがあります。
確認しておくようにしましょう。
 

14.羽ばたき振戦、痙攣発作の有無(肝機能の異常、アンモニア値の異常など)   

肝性脳症の既往に注意しましょう。
 
意識レベル低下や異常行動をおこすことがあります。
 

 

転倒リスク状態のケア計画(TP)

1. 転落アセスメントスコアシートを用いたアセスメント

 施設によりますが、患者様が入院した時点で転倒リスクの程度を評価することが多いですね。転倒リスクの程度を、点数として表示している施設が多いのではないでしょうか。例えば、
  • 歩行に見守りや介助が必要なら 1点
  • 歩けなければ         2点
  • 軽度の認知症があれば     1点
  • 重度の認知症があれば     2点
  • 頻尿・失禁があれば      1点
など、転倒のリスク因子を点数化して評価をします。
 

ちなみに、私が以前勤めていた病院では、上記の評価項目で、5点以上となった患者さまは要注意としてリストアップしていました。患者識別用の腕ベルトに黄色いリボンをつけ、転倒への注意喚起を行っていました。

2. ベッド周囲の環境整備 

  •  ベッドは座った状態で床に足底がつく高さにする 。
  • 患者の状態に応じてベッド柵を使用し、使いやすいように柵の種類や位置を選択する。
  • 床頭台、オーバーテーブル、ポータブルトイレ、尿器の位置を使いやすいように整理する 。

3. 離床センサーの使用

  • ナースコールを押さずに移動するなど、指示が守れない患者さまは少なくありません。離床センサーを使用して、早期に危険行動を察知し転倒を予防しましょう。

4. 転倒を起こしやすい症状があれば安静を促す

痙攣発作、意識レベル低下、めまい、ふらつきの症状の可能性がある場合は、安静を促す!

5.チューブ類の管理を行う

 ドレーンや点滴ルート類で移動が制限されている患者さまは、ルート類を整理しましょう。

• 不要なルート類がある場合は除去しましょう。• 歩行時の転倒のリスクが高い場合、一旦ルート類を外し、ヘパリンロックするのもアリ!

6. 入院前の生活に近づける

入院前の患者の環境や生活リズムに近づけるように支援しましょう。


例えば、

  • トイレまでの距離を自宅の環境に近づける。
  • 自宅で使用していた寝具を用意していただく。

など。

7. 日中の活動を促す

出来る限り日中の活動を増やし、筋力の低下の予防や気分転換を図りましょう。

8.履き物を変える 

履き物は、滑りにくくつまづきにくい運動靴などをすすめましょう。運動靴をご家族様に購入してもらうことも検討します。

9. 排泄リズムを把握しておく

排泄行動に介助を要する患者さまは、排泄が切迫しないように早めに誘導しましょう。

  • 状況に応じて尿器、ポータブルトイレをベッドサイドに準備しましょう。
  • ポータブルトイレ時の移動で転倒が懸念される場合は滑り止めマットを敷きましょう。
  • 夜間は足もとの照明やヘッドライトで適切な照度を保ちましょう。
  • 必要時、病室やトイレに目印やラインを引き、わかりやすく表示するのもアリ!

10.補助具を用いる 

歩行が不安定な時は付き添い、必要時は車椅子などで移動を行いましょう。

11. オリエンテーションを行う

病院では転倒が起こりやすくなるということを根拠を持って説明しましょう。治療や検査、手術などで療養環境が変化する場合も、時にはあるでしょう。事前に、今後の環境の変化についてイメージできるようオリエンテーションを行いましょう。 

12. 手すりや滑り止めを使用する

入浴・シャワー時には浴槽の滑り止めや手すりについて説明し、使用してもらいましょう。

 

 

転倒リスク状態の教育計画(EP)

患者さまがはじめて入院するとき、患者さま・ご家族さまはこう考えているかも…

病院は、家よりも安全な場所だ」と。

 

一般的には、それで間違いないでしょう。

病院は、治療を行いながら落ち着いて過ごすことができる環境であるべきです。

安全・安心が保証されることは当然だと思います。

 

ですが、


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  • 廊下にモニター類などの機器があり、障害物がある
  • 車椅子、歩行器、ストレッチャーなどの用意で廊下が阻まれることがある
  • 点滴類に繋がれながら生活するなどにより、歩きづらくなる
  • 状態により、行動範囲を制限されたり、ベッド上に安静にしなくてはいけなくなる
  • 慣れない環境である
  • 医師・看護師・他の患者様などの出入りでぶつかってしまうなどの可能性がある
など、実は病院は事故が起こりやすい環境の温床になっています
したがって、病院は事故および転倒の危険性がある施設だといえるのです。
 
入院時や検査・手術の際に、患者様とご家族様に転倒リスクについて説明をした方がよいでしょう。
 
事前に転倒の可能性を意識してもらうことで、「転ばないように気をつけよう!」と思っていただけますよ。

1.ベッドサイドの環境調整方法を説明する   

  • ベッドの高さの調整やベッド柵の上げ下ろしの方法を説明しましょう。
  • ヘッドライト、床頭台、オーバーテーブル、ロッカーの使用法を説明しましょう。
  • 散らかすことなく、安全な環境で生活するように説明しましょう(*´∀`)
  • 転倒のリスク因子について説明しましょう。
  • 転倒を起こしやすい要因について、できるかぎり簡単な言葉を使って説明しましょう。

また、転倒を予防するための方法について説明しましょう。

 

例えば、降圧剤や催眠薬を内服している患者さまは、めまい・ふらつきを起こす可能性が高まります。なので、そのことについて分かりやすく説明しましょう。

それに加えて、起き上がり時や立ち上がり時は急に動かずにゆっくり動くようにお伝えしましょう。

そうすることで、患者さま自身が転倒に対する予防行動をしてくれることにつながりますよ。

2.可能ならば、日中はできるだけ活動を増やすよう説明する

安静が必要でなければ、できるだけ日中の活動を促すことが望ましいでしょう。

日中の活動が少ないと、夜間における不眠や倦怠感が起こりやすくなります。

それによってふらつきや注意力の低下など、転倒に直結する症状に繋がる可能性があります。

日中の活動の必要性について説明することで、転倒リスク因子を減らすことができますよ。

3.家族にも転倒のリスクについて説明する

患者さまの本来の生活の場は病院ではありません。

病院を退院すれば、自宅で過ごしたり、介護施設などに転院するでしょう。

病院を退院しても、患者さまの転倒のリスクは完全になくなるわけではありません。

患者様だけでなく、サポートを行うご家族様にも、転倒のリスク因子や安全な環境の必要性について説明しましょう。

自宅や介護施設での転倒を防ぐことは、骨折や脳出血などの重篤な外傷を防ぎ、臨時の再入院を減らすことにつながります。

 

以上になります!

いかがでしたでしょうか。

 

 

おわりに

日頃から転倒のリスク因子の有無を評価し、意識的に観察を行いましよう!

すると、自然に患者様・ご家族様への説明・指導ができるようになっていくと思います!若い人でも、病気のない人でも、全ての人に転倒が起こる可能性があるということを意識しましょう。

日頃から、全ての患者さまに対して転倒のリスク因子が無いかアセスメントしましょう。

そうすることで、転倒を予防するあなたの「看護力」が鍛えられると思います!

私も日々の中で五感を研ぎすまし、家のなかでも家族の転倒ゼロを目指していますよ。

 

おわり!

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